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校長あいさつ

2024年03月01日
不安を打ち消す希望の「光」を
 三寒四温を感じる季節となりました。梅の花があちらこちらで咲き始め、梅ヶ島の山々が次第に色づき始めています。久しぶりに聞く春鳥のさえずり、山々の動物たちも戻ってきました。玄関を開けた時に感じる空気や日差しの明るさにもまた春を感じます。
 学校にも3月特有の空気感が生まれます。1年間の学びの積み重ね、自身の成長を感じ、胸を張りたくなる気持ち。進級・進学を前に来年度の希望が湧き出でる高揚感。卒業を迎える生徒たち、あるいは異動となる先生・職員がいなくなるさみしさ…期待や不安が入り混じる何とも言えない感情がその空気をつくります。
 中でも特に、大きく生活環境が変わる中学卒業の3人にとって、この時期の不安はかなり大きいのではないかと思います。進級する15人にも次年度に対する不安は大きいことでしょう。
 誰だって経験のない場に飛び込むのは不安ですし、相当の勇気が必要です。私はこれまで大した人生を歩んできたわけではありませんが、私なりに不相応な仕事を引き受けてきました。小さいころから気の小さい性分で、本当に不安感が強く、自分が勝手に作り出してしまっているプレッシャーに押しつぶされそうになること度々でした。
 そんな時に出会った本の中で、あるエピソードと出会いました。簡単に話すと、こんな話です。

 恩師の家を初めて自転車で訪ねた高校生。帰宅する頃にはもう日は暮れていました。初めて来る場所だっただけに家まで帰れるか大きな不安に駆られていました。そこへ恩師が声をかけます。「君の自転車にはライトがついているじゃないか。暗い闇夜を見て不安になるより、ライトに照らされているところを頼りにすればいい。」と。

 人は、ついつい見えない部分に不安を覚え、その「暗闇」を大きくしがちです。でも、私たちはどんな年齢でも、どんな人生経験を踏んだ人でも、その人なりの学びや経験はもっています。それはまさに「暗闇」を照らしてくれる「ライト」です。まずはそこを信じて歩み始めることこそ、大切だと私は感じたのです。もしもその「ライト」で目的地まで行けたのなら、それは大きな自信となります。万が一、目的地まで間違いながら、迷いながら歩んだとしても、それは学びや経験となり、次なる「暗闇」を照らす大きな「ライト」になります。
 先ほどのエピソード、普通に話を聞くと、恩師はなんて冷たい人だと感じます。わざわざ家を訪ねてくれた生徒を家まで送り届けるでもなく、自力で帰るよう促しているのですから。ただ、この生徒の「成長」を考えての言葉だとすれば、さすが「恩師」だと思えます。
 私たち、子どもを支えている大人の役割って何かな…毎日のように考えます。子どもを守りたい、子どもを成長させたい…常に大人はそう思います。「子どものために…」とつい口を出したくなります。つい手を差し伸べたくなります。過保護でも、放任でも駄目なことはわかっていながら、どこで、どのタイミングで、どんな「支え」を大人がするか悩みます。「正解がないから心配…」これって、さっきの「暗闇」と同じですね。私たち大人のそれぞれの経験に自信をもって、不安を抱える子どもたちの前に「光」を照らしてあげたいですね。
 令和5年度、保護者の皆さまからの多大なるご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また、梅ケ島小中学校を支えてくださっている学校運営協議会の皆様、連合町内会の皆様、そして、回覧板、ホームページ等でこのお便りをご覧いただいている梅ヶ島にお住いの皆様にも心よりお礼を申し上げます。今後とも、梅ケ島小中学校を温かく見守っていただければ幸いです。
  校長 平野 恵司

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